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鈴鹿8耐で見つけた「動けない服」の秘密とライダーウェアの職人技
先日お休みをいただいて、早朝に出発。
鈴鹿8耐観戦に行ってきました!

当日はあいにくの雨模様で、
ポンチョを着て傘を差しながらのブース巡りでしたが、
会場はたくさんの観客が訪れ、熱気にあふれていました。
バイク好きの人たちの集いとあって、どのブースも盛況です。
たくさんのブースが立ち並ぶ中、
バイクにまたがって撮影する人達や、
限定品のグッズを購入する人たちに圧倒されながら、
キョロキョロと順番に見て回りました。

他社に負けない熱気のヨシムラジャパンさんのブース内で、
ライダースーツが展示されているのが目に留まり、
「この機会を逃がしてなるものか」と、
スマホを片手に撮影してきました。
本格的なレーシング用スーツを近くで拝見する機会は滅多にありませんので、ご紹介させていただきます。
鈴鹿8耐で見つけた「動けない服」の秘密と、ライダーウェアの職人技

実はこのスーツ、通常の服とちょっと形が違っています。
写真を見るとわかりやすいですが、
最初から肘と膝がグッと曲がっています。

バイクに乗った時にスーツに邪魔されないよう、
またがった姿勢に自然にフィットするように、
立体的に縫製されているのです。

パターン(型紙)制作の段階で、
実際にバイクにまたがった状態の「立体裁断」で原型を作っていくため、
バイクに乗っている時に動きに影響しないよう、
最高のパフォーマンスを発揮できる形に計算し尽くされた特殊な形をしています。
そのため、逆にバイクから降りて普通に歩行する時は、
少し動きにくさがあります。
サーキットのパドックなどで、
ライダースーツを着たまま歩いているライダーの方が、
どこか歩きにくそうに前傾姿勢で歩いている姿を見かけたことはありませんか?
実はあれ、この「立体裁断」で作られたパターンが理由なのです。

「その瞬間のためだけ」に作られたユニフォームの美しさ
しかし、考えてみれば、こうした特徴はライダースーツに限りません。
世の中の「職業用ユニフォーム」の多くは、
その職種の特定の動きに100%特化したパターンで仕上げられています。
そのため、一般的な「立つ・手を伸ばす」などの日常の動きの時には、
制限を掛けられたように、少々窮屈に感じることが多いのです。
例えば、機能美の塊であるミリタリー服(軍服)なども、
その特徴が顕著に現れる衣類の一つです。
そして、過酷なサーキットを走る
ライダースーツの素材といえば、やはり「牛革」です。
牛革には、単に「分厚くて丈夫」というだけでなく、
圧倒的に「摩擦に強い」という特徴があります。
万が一、時速何百キロというスピードで転倒してしまった場合、
体が投げ出されるのは硬くてゴツゴツしたアスファルトの道路です。
通常の布や合皮では、アスファルトとの摩擦熱で溶けてしまったり、
一瞬で破れてしまいますが、タフな牛革であれば、
破れることなく路面を滑り、ライダーの身体を命がけで守ってくれます。
さらに、最も負傷しやすい部位には頑丈なプロテクターが仕込まれており、
まさに「安全第一」で制作されている究極 of 究極の機能服なのです。
ライダーウェアのお手入れと、お直しの難しさ
以前、当店でもお客様から「バイクウェアのゴアテックス製品」について、
袖丈や裾上げのご相談を承ったことがあります。
その時に拝見したウェアも、やはり万が一の転倒時に破れにくいよう、
通常の洋服とは全く異なる特殊な型紙と、強固な縫製技術で仕上げられていました。
パーツの重なりや防水処理(シームテープなど)が複雑に施されているため、
ハサミを入れて袖丈を詰めたり、
裾上げをしたりすることができない仕様になっているのです。
このように、ライダーウェアは一般的な衣類とは一線を画す、
特殊な「職人技」の結晶です。
⚠️ 当店からのお知らせとお願い
ライダーウェアの多くに使用されている「革製品(レーシングスーツや革ジャケットなど)」につきましては、その特殊な構造と素材の専門性の高さゆえ、大変恐れ入りますが当店ではクリーニングおよびお直し等の受付(お取り扱い)をしておりません。
大切なウェアの機能や安全性を維持するためにも、革製のバイクウェアのお手入れやお直しが必要な際は、バイクウェア専門のリペア店や、モーターサイクルギアの専門店へご依頼いただきますようお願いいたします。
「鈴鹿8時間耐久レース」の観戦風景の中にも、
『服のお直し』に携わる職人の目線で見つめ直してみると、
たくさんの服飾のこだわりが詰まっています。
皆さんも街中でライダーの方を見かけた際は、
ぜひその「機能美の形」に注目してみてくださいね。


