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おばあちゃんが縫ってくれた…」から変わる?プロの技術と料金の理由

子どもの頃の繕い物やちょっとした寸法直しは、おばあちゃんが“ちょちょっと直して”くれていた。

そんな温かい思い出をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。
昔は布がとても高価だったので、洋服は繕いながら大切に着るのが当たり前でした。

特に子ども服は、専門の仕立て直し屋さんに出すほどではなく、お家でおばあちゃんやお母さんが直すのが一般的だったんです。

おばあちゃんのお針仕事風景

昔の「お裁縫」と現代の「お直し」はどう違う?

かつて家庭で行われていたお裁縫と、今の私たちプロが提供するお直しには、実は大きな違いがあります。

昔の家庭裁縫:普段使いの知恵

昔の裁縫は、主に家庭内で使われる服のためでした。

  • 「とりあえず着られるように」が優先

    耐久性や見た目の完璧さよりも、「破れたから直す」「丈が足りないから継ぎ足す」といった実用性が重視されていました。

    当時は資材も高価だったので、家にあるもので工夫して直すのが当たり前。少しくらい見た目が完璧でなくても、「みんな同じようなものだから」と気にする人も少なかったんです。

  • 手縫いが基本で寛容だった歪み

    手縫いが主流で、ミシンが普及したのは後になってから。
    そのため、多少縫い目が歪んだりいびつになったりしても、それは「手仕事の味」として受け入れられていました。

  • シンプルだったデザインと素材

    昔は「よそ行きの服」と「普段着」を明確に使い分けていましたし、既製品のデザインや使われる素材も今ほど複雑ではありませんでした。


例えば、アップリケやひざ当て(肘当て)を思い浮かべてみてください。

今ではデザインの一部として使われることが多いですが、当時は穴の開いた部分を補強したり、汚れを隠したりするための実用的なものでした。
アップリケなどの資材も、今の100円ショップのように手軽に買えるものではなかったんですよ。


江戸の町人の日常風景

ちなみに、日本では江戸時代から仕立て直しは盛んで、特に季節の変わり目には女性たちが忙しく針仕事に励んでいたそうです。

これは単なる節約術ではなく、「持続可能な社会」を目指す現代のSDGsの考え方、特に目標12「つくる責任 つかう責任」にも通じる、素晴らしい文化だったと言えます。

現代のプロのお直し:専門技術と品質へのこだわり

それでは、私たちプロが提供するお直しとは、一体どのようなものでしょうか。

  • 高度な専門技術が必須

    現代の既製服は大量生産され、デザインや素材(ストレッチ素材、多層構造など)が非常に複雑です。

    そのため、元のデザインを継承し、自然な美しいシルエットに仕立て直すには、豊富な経験を積んだプロの専門技術が不可欠です。

  • 専用の道具と機械

    家庭用ミシンでは対応できないような厚手の生地や特殊な縫い目も、私たちはお店にある工業用ミシンで対応します。

    工業用ミシンは針目も美しく、丈夫に縫い上げることができ、仕上がりの耐久性と見た目を格段に向上させます。

  • 「見た目の美しさ」と「耐久性」の両立

    プロの仕事では、単に直すだけでなく、縫い目が大きく歪まないように丁寧にミシンをかけ、すぐにほつれないように丈夫に仕上げることで、見た目の美しさと長期的な耐久性を両立させることを目指します。

JUKIの本縫い工業ミシン

特に難しい「切らないお直し」の秘密

お子さまの成長に合わせて、「切らずに短くする」お直しをご希望される方もいらっしゃいますが、これは特に高度な技術と手間を要します。

  • 袖の場合:

    袖口に向かって細くなっているため、単に折り返すだけでは布が足りなくなり、ひきつれや不自然な膨らみが生じがちです。

    また、裏地がついている場合は、表地と裏地の両方を同様に調整する必要があり、両袖で合計4枚分の作業が必要になります。
    表地と裏地がずれないようにする「中綴じ」作業も支障をきたし、縫い代が多く残ると着用時にゴロゴロして着心地が悪くなったり、袖が不自然に膨らんで見えたりすることもあります。

    特に寒い時期に着るジャケット類は、中に厚手の服を着込むことを考えると、窮屈で着心地が悪くなる可能性も考慮しなければなりません。

  • ズボンの場合:

    ズボンも同様に、折り返した布が足りなくなることがあります。
    裏地がない場合は、ほつれないように特に丁寧に仕上げる必要があり、通常の縫い代以上の寸法を残す際には細かい補強策が不可欠です。

    無理に縫い付けると表からひきつれて不格好に見えてしまいます。

  • スカートの場合:

    スカートも同様に、折り返しが多くなると表から見て膨らんで不格好に見えることがあります。

    また、ファスナーがあるデザインでは、無理な折り返しによって布がファスナーに当たり、開閉に支障が出る可能性も出てきます。

お直し職人による裁断作業風景

「小さいから安くなる」は誤解?プロの技術と料金の理由

飲食店や美容院には「お子様料金」があるため、お子さまの制服も「小さいから安くなるのでは?」とお考えになるかもしれません。
しかし、残念ながらお直しにおいては、服が小さいからといって直しやすくなったり、安くなったりすることはありません。

たとえば、お子さまのトレーナーの袖口を裏返す場面を想像してみてください。大人用と比べて袖口が小さい分、裏返しにくいと感じるのではないでしょうか。
これと同じように、服が小さいということは、プロの作業においても袖口や縫い代などの限られたスペースで、より繊細な作業が求められることに繋がるのです。

プロの技術が、お子さまの制服を「長く・美しく」守る

「簡単でいいから(安く直してよ)!」とご希望をおっしゃるお客様もいらっしゃいますが、私たちはお子さまの大切な制服を、プロの目と技術で丁寧に、長く着ていただけるよう、一点一点心を込めてお直ししています。

料金が高いと感じられるかもしれませんが、それは「お客様の大切な服を長く、快適に着ていただきたい」という当店の強い想いと、そのための品質保証であると考えています。

家庭での「ちょちょっと」とは異なり、専門的な知識と長年の経験、そして工業用ミシンなどの専用の道具があってこそ、生地を傷めず、元のデザインを保ったまま、美しく丈夫に仕上げることができます。

私たちは「価格以上の価値」を感じていただけるよう、日々技術を磨いています。

幼稚園児と小学生の登校風景

お子さまの制服のお直しについて、ご不明な点やご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。