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なぜ、今の制服は『着せられている感』が出るのか?―― 既製品をオーダーメイドの着心地へ変える、職人の仕立て直し
3年間、毎日袖を通す制服だからこそ。単なる『サイズ合わせ』ではなく お子様の成長と体の動きに寄り添う『仕立て直し』を提案します。
新入生の入学準備はもちろん、『成長を待ってみたけれど、やっぱり今の体型に合う一着で進級させてあげたい』という親御様。 あるいは『卒業式や修学旅行という大切な思い出を、ぶかぶかの服ではなく、おしゃれなシルエットで迎えたい』とアップグレードをお考えの方へ。
制服は、お子様が10代のうちで最も長く着る『正装』です。 私たちは一針一針に職人の誇りを込めて、丁寧なカウンセリングと熟練の技術でお預かりした制服を、価値ある一着にしてお届けします。
例えば、お嬢様のブレザー
修学旅行の記念写真で、肩のラインがピッタリ合っているだけで、驚くほど上品に、洗練されて見えるものです。 たった1cm肩幅を整えるだけで、全身のバランスは見違えるほど変わります。
ただし、当店では肩幅調整の限界を『左右各2.5cm(計5cm)』までと定めています。 これ以上の調整は、ブレザー全体のシルエットバランスを崩し、胸ポケットやエンブレムに袖が重なり、デザインを損ねてしまうからです。
また、肩口(袖山)に職人が仕立てたブレザー(ジャケット)特有の『美しいふくらみ』を再現するため、 内側の不要な縫い代はカットして細くする必要があります。 そのため、一度小さくしたものを再び大きく戻すことはできません。
お客様の大切なブレザーをあなただけの特別な一着に仕立て直すための譲れない『一線』です。何卒ご理解いただければ幸いです。
近年のサイズ事情
ご依頼いただいたお客様のお話をお伺いすると、近ごろはサイズ展開の種類が少ないそうです。 MかLサイズしかないことも多く、体にぴったり合うサイズを探すのが大変困難なご様子です。
一昔前は号数で選ぶことが出来ました。 最近ではあまり聞かなくなったかもしれませんが、9号や11号などのことです。 号数の方がグレーディング(適切なピッチ(差)でサイズを調整)がパターンに細かく設定されますので、体に合ったサイズを選びやすかったのです。
しかし、MまたはLのみの二択となると、無理やりどちらかを選ばざるをえなくなり、 例えば「Mだと少しきついからLにしよう。」と選んだとします。 けれど、実際に届いた制服に袖を通してみると、肩幅が大きくて気になるし横幅もぶかぶかしている、、、という状況がおこります。
◆料金の目安やよくある質問は、ページ下部で詳しくご紹介しています
コストに翻弄される
既製品はなるべく多くの体型に合うように作られるので(より汎用性の高いシルエットを追求) 通常ファッションのブレザー(ジャケット)よりもおそらく大きく作られているはずです。
制服業界が効率化を優先し、サイズ展開を絞る(M・Lのみなど)のは、製造側の都合としては仕方のない事かもしれません。 しかし、その都合による弊害を一番に受けているのは、成長期の大切な時期を過ごすお子様や親御様たちです。
『誰にでも合う』ように作られた既製品が『誰にも合わない』ものになってしまった今、 個人の体型に合わせた『仕立て直し』こそが、制服を正しく着るための唯一の手段になりつつあります。
当店では量産品の制服を、一針一針丁寧に仕上げ、オーダーメイドのような着心地をご提供いたします。 仕立て直しでしか、得られないシルエットがあります。
ジャケット(ブレザー)の重要拠点は『肩』
仕立ての世界では古くから『ジャケットは肩で着る』と言われてきました。
これは、肩幅が体型にフィットするように作られていることこそが、着心地と美しさを決める絶対的な基本だからです。 肩幅が正しく合っていれば、服の重さが背中全体に分散され、驚くほど軽く感じます。 肩のラインが自然であれば、立ち姿に品が生まれ、決して『だらしなく』見えることはありません。
逆に、サイズ展開が少ない既製品の制服をそのまま着て、肩が落ちてしまっている状態はどうでしょうか。
肩全体で支えるべき重みが腕側に流れ、袖の重さが襟ぐりや肩先を下に強く引っ張ってしまい、型崩れの原因にもつながります。 これでは見た目が『着せられている』印象になるだけでなく、成長期のお子様の肩や首に、 日々余計な負担をかけ続けてしまうことになりかねません。
リフォーム繕では、中学生や高校生の成長を妨げないためにも、できるだけ体に負担をかけない『正しいライン』の制服を着てほしいと願っています。
【重要】肩幅の寸法を調整すると、袖の長さも連動して変化します。
例えば左右2cmずつ肩幅を狭くした場合、袖の付け根が肩先に向かって上に引き上げられるため、 実質的に袖丈も約2cmほど短くなったように感じられます。 これを計算に入れずに袖丈だけを先に直してしまうと、短くなりすぎて取り返しのつかないことになります。
当店では、この連動性をふまえて計算し、全体のバランスを考えたご提案を差し上げています。
肩が落ちている状態は、単に見た目がだらしないだけではありません。 本来、骨格で支えるべき制服の重みが、二の腕側に流れ、襟ぐりが首を圧迫します。 成長期のお子様にとって、この肩幅のズレが蓄積する負担は決して小さくありません。
当店では見た目の美しさと同時に、『健やかな成長を妨げない設計』をお直しで実現したいと考えています。
業界用語の『さわる』とは
業界用語で、取り扱うことを『さわる』と表現することが良くあります。 経験の浅いお針子さんは『ジャケットはさわれない』ことがほとんどです。 それほど袖付けは、裾上げとは次元の違う難易度なのです。 袖付けは仕立ての中でも難しい作業とされています。仕立て直しの場合元のパターンの袖ぐりを変形させて元の袖山を取り付けるという作業になります。 用意されたパターン同士をつなぐよりもさらに難易度が高く、確かな技術が必要になります。
アイロンは脇役ではなく大切なパートナー
袖を付ける前段階でのアイロンワークも繊細な作業です。 いせこみを押さえて袖山の形を作り、身頃に袖が付いた時にきれいに収まるように整えます。 その際にアイロン仕上馬と言われる道具を使用します。平面のアイロン台だけでは仕上げることができないので、重要な道具の一つです。
ご家庭でのアイロン作業でも仕上げ馬が一つあればYシャツやブラウス、パンツなどのアイロンがけ作業がぐんと楽になると思います。
見えない部分にこそ、着心地の正体が宿る ―― 中綴じの重要性
表からは見えませんが「中綴じ」という作業も欠かせません。(中綴じ自体ご存じないお針子さんもいらっしゃいます) なぜ必要かというと、表地と裏地をつなぐ役目だからです。多くの既製品は表地と裏地は別々に作られているので、要所要所で留めてあげないとぱたぱたしてしまいます。
例えば上着を脱ぐとき、袖がするりと抜けると思いますが、中綴じがされていないとどうなるでしょうか。 裏地が洋服にまとわりつき、脱いだ拍子に裏返ってくっついてきます。 わかりやすい例だと、ロングコートの裏地やワンピースの裏地をめくった時に脇を糸でつなげてあるかと思います。 あれも中綴じの一種で、裏地と表地が離れないようにしています。 中綴じもただくっつければいいというものではなく「遊び」も必要です。キュウキュウに留めてしまっては、表地がひきつり見た目が悪く、裏地に圧迫されて着心地が悪くなってしまいます。 それを踏まえて適度な遊び(ゆとり)を持たせて留め付けています。
袖は前に振ってこそ真価を発揮する
袖付けの際に気を付ける点はもう一つあります。 袖を前に振るように取り付けます。
鏡の前で横を向いて立った時腕が脇線より前に出ているのがわかるかと思います。 人間の体型に合わせてブレザーの袖も前に出るように付いています。それが『前に振る』ということです。
パターン(型紙)自体が前に振るように設計されています(二枚袖など)ので、正しく付ければ自然と前に振ります。 しかし、袖山の中心点と肩先の中心がずれていたり、袖ぐりと袖山の寸法が著しく違うなど「正しくない箇所」があると 前に振らずに垂直に落ちたりします。 そうなると肩がつぱったり、腕を後ろに引かれ着心地の悪い上着になってしまいます。
肩パッドを取り外しても変わらない理由
肩幅が大きいから肩パットだけを取り外してほしいといったご要望を頂くことがあります。
上着のパターン(型紙)は製図段階において、肩パットが入る前提(入れる肩パッドの厚さまで決まっている)で設計されますから、 ただ取り外しただけでは型崩れを起こすだけになってしまいます。 また肩幅の大きさが気になるのは肩パッドのせいだけではありません。 肩幅自体が大きいからにほかなりません。
肩幅調整は、最初のラインを決める瞬間から、最後の仕上げに至るまで、大変神経を使う作業です。
だからこそ、全ての工程を終え、仕上がったブレザーをトルソーに着せたとき。 袖がスッと自然に前に振れ、美しいシルエットが再現されているのを確認できた瞬間は、喜びもひとしおです。 これは何度経験しても変わらない喜びでもあります。
ただサイズを変えるだけではない。ご本人様と親御様がこれから制服とともに歩む3年間を、職人としてお手伝いがしたい。 そんな想いを持ちながら、リフォーム繕は今日も一針ずつ、譲れない一線を守り続けています。
制服お直しに関するよくある質問(FAQ)
よくある質問のご案内
お直しに関する不安や疑問をまとめました。こちらで解決しない場合は、お気軽に技術相談フォームよりお問い合わせください。
当店は、数年先も愛用いただけるよう、本来の設計に基づいた修復を行います。そのため、安さや速さのみを重視した簡易お直しとは価格体系が異なります。
はい。生地の傷み具合や構造を拝見せずに正確な判断はできないため、フォームからの写真添付をお願いしております。
郵送でのご依頼の流れはこちらのページをご覧ください[郵送の流れを確認する]
はい、可能です。
実際に「他店でノーマル糸で仕上げられてしまったが、やはり学校指定のレインボー糸に戻したい」というご相談を多くいただきます。
当店ではレインボー糸での再加工や、刺繍を残すためのウエスト側での丈詰めなど、他店では断られやすい高度な修復でも承っております。
一度他店で加工されたお品物でも、まずは写真と共に現状をご相談ください。
ブレザーのシルエット調整については、全体のバランスを見るため店頭での採寸を承っております。
【ボトム(スカート・ズボン)及びブレザーの袖丈について】
これらは数ミリの差で印象が変わる繊細な箇所であるため、最もリラックスした状態で、普段履き慣れている靴やベルトと合わせて「ご自宅で一番しっくりくる長さ」をあらかじめ計測・決定した上でお持ち込みください。
※店頭での詳細なボトム及び袖丈の採寸をご希望の場合は、別途採寸料(1,100円税込)を頂戴しております。
※郵送ご依頼の場合は、着用写真をお送りいただいた上での「オンライン採寸カウンセリング」にて、職人と共に最適な寸法を導き出しますのでご安心ください。
申し訳ありませんが、設計の限界を超える大幅なサイズ変更はお引き受けしておりません。
2サイズ以上の変更は、単なる「お直し」ではなく、服を一旦バラバラに解体して型紙から作り直す「レストア」の作業となります。
物理的にポケットの位置が寄りすぎたり、全体のバランスが崩れて着心地が著しく損なわれたりするため、プロの視点からおすすめしておりません。
また、その工程には新規製作の数倍以上の手間と工賃がかかるため、お買い替えの方がお客様にとって合理的であると判断し、お断りさせていただいております。
恐れ入りますが、当店では「お下がり制服のサイズ合わせ」のみを目的としたご依頼はお引き受けしておりません。
お下がり品の場合、全体の経年劣化に加え、体型差による大幅な作り直しが必要となります。
その工程は新規の仕立て(オーダー)に匹敵する工賃がかかるため、新品をご購入される方がコスト・品質ともに合理的であるケースがほとんどだからです。
※当店は「今お手持ちの、大切にされている一着」を最適化するための工房です。あらかじめご了承ください。
申し訳ありません。当店ではブレザーのお急ぎの特急対応は一切承っておりません。
ブレザーの繊細な仕立て直しには、細かなほどき作業、シビアな補正ラインの構築、そして一着一着の特性に合わせた丁寧なプレス工程等が不可欠です。
これらは短時間で終えられる「簡易修理」とは本質的に異なるものです。
最高の品質でお渡しするため、十分な納期(通常10日〜)をいただいております。
大切な節目の一着こそ、ぜひ余裕を持ってご相談ください。
はい、ぜひお車でお越しください。敷地内に無料の駐車スペースがございます。
お車から平井工場までは徒歩数秒ですので、大切なお洋服を抱えて長く歩く必要もございません。
雨の日や、複数の制服をお持ち込みいただく際も、どうぞ安心してお越しください。
直接職人へ技術相談を申し込む 「リフォーム繕では、お客様の大切な3年間を共にする制服に、職人としての誇りを持って真摯に対応しています。 安さや早さではなく、『本物の仕立て』を求められる方からのご相談をお待ちしております。」
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技術相談以外のご不明点やご質問がございましたら、メールよりお問い合わせください。
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当店ではお預かりした制服を1枚1枚丁寧に作業しています。いくつもの複雑な工程を要します。 そのため、お急ぎの方や安さ重視の方には、近隣のチェーン店をお勧めしております。

